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ホームページ制作の円滑な進め方 セブンシックス流「急がばまわれ」

前田 大地

こんにちは、セブンシックスのダイチです。今回は、私のウェブ業界10年間で培ったホームページ制作のスムーズな進め方をご紹介します。

ホームページ制作の進め方は、それこそ制作会社によって千差万別です。というのも、制作会社の規模や分業体制、制作するホームページの内容によっても、効率のよい進め方が変わるからです。正解がないからこそ、どの制作会社も試行錯誤の積み重ねを経て、自然と理にかなったワークフローが確立していくのだと思います。

私はウェブ制作をはじめて10年以上になりますが、セブンシックスを立ち上げてからは、ひとりで全ての工程を手がけることが多くなりました。ですので、一般的な制作会社には当てはまらない点も多々あるかと思います。それらを踏まえた上でご参考にしていただければ幸いです。

ヒアリングに時間をかける

オファーをいただいた最初のヒアリング時に、どれだけ核心に迫る情報を得られるかは非常に重要です。なぜなら、その内容によって目指すべき方向が決まるからです。お互いのゴールの認識が異なっていては、何を議論しても噛み合うはずがありません。ヒアリングによってその後のすべてがスムーズにいくかどうか決まる、といっても過言ではありません。

人間のコミュニケーションは、大半が非言語的なものと言われています。つまり、表情や仕草が分からないメールや電話のやり取りでは、相手の意図を正確に読み取ることは難しいということです。プロジェクトが動き出してから、「あ、やっぱりこれ、こうしたいです」なんて言われたら波乱の予感80%ですよね。私は口下手ですし、会わずに本心を聞き出すトークスキルは持ちあわせていません。饒舌で相手を言いくるめるテクニックもありません。ですから、急がばまわれ、ということで、必ず直接お会いしてヒアリングを行っています。

ヒアリングでは、クライアントの現状を理解できるだけの十分な時間を割きます。もちろん、より詳しい情報を得ることは重要ですが、それだけではありません。信頼関係を構築するためにはお互いをよく知る必要があるのです。もし私がクライアントで、大したヒアリングもなく偉そうに提案されたら、「お前に何が分かるんだ」と感じることでしょう。論理的ではありませんが、とにかくそういうことです。

提案書をきちんと作る

セブンシックスでは、ヒアリングをもとに提案書と見積書を作成します。ホームページ制作の悩ましいところは、見積書をつくるために、十分な時間をかけて必要な情報を整理しなければならない点です。どんなホームページを作るかがある程度はっきりしないと、そこに値段は付けられません。この時点では、契約するかしないかは未確定ですので、提案が通らなければ作成にかかった時間は無駄になります。ですが、ここも、急がばまわれ。提案書をきちんと作ることで、その後をスムーズに進める意味合いもあるのです。

  • 背景
  • 企業のニーズ
  • ターゲットのニーズ
  • ホームページのゴール
  • ゴールまでの流れ(ストーリー)
  • そのために必要な要素
  • ページ構成
  • 必要な機能
  • デザインの方向性
  • 集客
  • スケジュール
  • 金額

一般的には、ページ構成と必要な機能が分かれば、見積金額が出せると思います。セブンシックスでは、「どうしてこの提案内容になったか」をクライアントにきちんと理解していただくために、できるだけ思考の流れに沿うようにして、提案書を構成しています。「とりあえず同業他社のホームページを参考にページ構成を作りました」では、時間をかけてヒアリングする意味がありませんよね。どうせ時間をかけるなら、自分のスキル・経験を高める投資として、真剣に取り組んだほうがお互いにとってハッピーです。また、デザインの方向性については、金額を出すために必須ではありませんが、お互い頭の中で想像する完成イメージが食い違わないようにするためのものです。

もちろん、提案書・見積書の提出時は、直接クライアントとお会いして、ひとつひとつ丁寧に説明しながら進めます。クライアントと「売る-買う」の関係ではなく、お互い力を合わせて進むパートナーとして、同じ方向を目指す姿勢が大切です。

原稿は書かせずに、こちらが書く

私はウェブデザイナーになったばかりの頃、先にクライアントから原稿をもらい、それをもとにデザイン案を作っていました。今考えると、このやり方は問題だらけです。

まずはじめに、クライアントが、何もない状態から原稿を書けるとは限りません。次に、原稿が書けても、ホームページ全体の流れを理解して書くことが困難です。最後に、クライアントの負担が増えることで、時間がかかり、スケジュール進行を妨げます。

現在、セブンシックスでは、文章もすべてこちらで考えた上で、デザイン案を作成。それをもとに、どの箇所にどういった意図の文章が入るかをクライアントに理解していただき、チェックおよび最終稿をお願いしています。クライアントのビジネス知識は、制作会社がどう頑張っても敵いません。ホームページ制作のプロである私が流れを作り、ビジネスのプロであるクライアントが詳細を詰めるのです。こうすることで、上記の問題をすべてクリアできます。このあたりは、全ての工程を一貫して手掛けるセブンシックスならではの利点でしょうか。

こまめに定期ミーティングを行う

制作期間中は、週に1回ほど定期的にミーティングを行います。この時に、セブンシックスとクライアント双方のタスクを確認しながら進めます。今回のミーティングで行うこと、次回までに行っておくこと、次回以降に行うこと、などです。大切なのは、何かを依頼する際にクライアントに丸投げしないこと。定期的にお会いしてお互いのタスクを確認することで、アドバイスや相談をしながら必要な作業を進められます。

例えば、必要な素材をクライアントに用意してもらう場合は、次回までの宿題とします。レンタルサーバの申し込みや、必要なウェブサービスのアカウント作成などは、その場で一緒に行ったほうが間違いありません。デザイン案のチェックと校正は次回までの宿題とし、こちらは次回までに次のページのデザイン案を作成するという具合です。ホームページ制作がはじめてのクライアントであれば、時間を長くとって一緒に考えることもあります。

あらかじめすべてのタスクをお互いが理解しておくことで、限りある制作期間に対して臨機応変に対応することができます。クライアント側から「これはもう少し時間がかかりそうだが、こっちは先にできそうだ」といった提案もしやすくなります。イレギュラーな事態が起こりがちなホームページ制作にとって、それを吸収できる仕組み作りは不可欠です。

おしまい

以上が、スムーズなホームページ制作の進め方のポイントでした。制作会社だけでなくクライアントにとってもメリットがあることを、分かっていただけたのではないでしょうか。まだまだ課題は残りますが、「成果を上げる」「事故を防ぐ」という2つのバランスを考慮した際に、今の私にとってベストな選択肢となっています。人間、楽をしようと思っても、結局は「急がばまわれ」なんですね。ああ怖い怖い。

というわけで、私はこれからもより良いホームページ制作の方法を模索しながら、より良いワークフローの確立に向けて進んでいきたいと思います。

Web Designer / Developer

前田 大地

沼津高専中退。デザイン会社、システム開発会社を経てセブンシックスを設立。マーケティング、デザイン、テクノロジーに精通するオールラウンダーとして、県内の中小企業に向けた戦略型ホームページ制作を開始。一方で、都内の広告代理店からの要請で大企業案件にも多数参加。企業が本当に必要とするホームページ制作とは何か、を日々探求している。

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