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成果を上げるホームページ改善の優先順位

前田 大地

ホームページを作ったはいいが、思ったように成果が上がらない。

正直に告白すると、私は、こういった状況を何度も経験しています。今では、ある程度の成果を予測してホームページを制作できていますが、この業界に入った当初は本当に試行錯誤の連続でした。

「何がいけなかったのだろう」「どうすればもっと良くなるだろう」と、改善を繰り返す中で、いくつか分かったことがあります。今回は、そんな経験から培った、ホームページを改善するための優先順位をご紹介します。

改善項目には優先順位がある

ホームページで成果が上がらないとき、やみくもに改善を行っても良い結果は望めません。なぜなら、改善する項目には優先順位があるからです。

考えてみてください。例えば、ホームページの内容を疎かにしたまま、集客を増やす改善をしたらどうでしょう。確かに訪問者数は増えるかもしれませんが、そこに求めている内容がなければ、最終的な成果には繋がりません。優先度の高い項目を放置したまま、優先度の低い項目ばかり改善していては、期待する効果は得られないのです。

それでは、どのような順序でホームページを見直せば良いのでしょうか。

  1. 目的の改善
  2. 内容の改善
  3. 導線の改善
  4. 集客の改善

上記は、基本的な改善項目とその優先順位です。上にある項目ほど、優先順位が高くなっています。それでは、それぞれの項目についてもう少し詳しく考えていきましょう。

1 目的の改善

自分たちビジネスのマーケティングにおいて、ホームページにどのような役割を与えたいか。この根本的な課題をきちんと考えずに作ったホームページは、企業にとってもユーザーにとっても意味のないものになりがちです。

この傾向は、特に「ホームページを作る技術がある」だけの人が作ったホームページによく見られます。作り手にマーケティング視点が抜けていれば、ホームページ本来の効果を得ることはできません。

そもそもホームページは、その目的に合わせて作られるものですから、目的のないホームページをいくら改善したところで大した成果は望めません。全面リニューアルを検討すべきです。

2 内容の改善

内容の改善には様々なものがありますが、基本的な考え方としては、「その商品やサービスを必要とするユーザーに対して、彼らが求めている情報を提供する」ということです。最低限、以下の項目については抜けがないようにします。

  • 利益
    ユーザーがその商品やサービスで得られるメリット
  • 根拠
    ユーザーがメリットを理解して納得できる理由
  • リスク
    ユーザーが背負うリスク
  • 評価
    第三者によるお墨付き
  • アクション
    ユーザーの取るべき行動

また、ホームページの内容は、テキストと画像で構成されます。そのため、文章(コピーライティング)や写真の品質を高めることも非常に重要です。

特に、キャッチコピーの改善は、反応率が劇的に向上することも珍しくありません。しかし、いきなり大当たりのキャッチコピーを作るのは、プロのコピーライターでも容易ではありません。新しいキャッチコピーは、Google AnalyticsのWebテスト機能などを用いて結果を検証しながら、継続的に改善すると良いでしょう。

また、ホームページではありませんが、私がデザイン会社在籍時代に、イタリアンレストランのメニューをデザインしたときの話。利益率が最も高い「マルゲリータ」の写真撮影に多くの時間を割いたおかげで、マルゲリータの注文率が大幅に向上した経験があります。ただの写真1枚が、利益に直結することが理解できるでしょう。

そして、同じ文章や写真でも、その表現方法によってユーザーが受け取る印象は変わります。デザインの役割は、情報を分かりやすく伝え、よい印象を与えることです。良い文章や写真は、デザインを改善することで更に大きな反応を引き出すことが可能です。

3 導線の改善

ホームページを訪れたユーザーが、求めている情報をきちんと得ながら、最終的なアクションに結びつくページへと、スムーズに移動できているか。ユーザーの導線に配慮することで、成果を高めることができます。

よくあるダメなパターンに、「次に進むページが分からない」というものがあります。どの順番でページを巡回するかはユーザーの自由ですが、もう少し戦略的に考えるのであれば、こちらが意図するページに自然な流れでユーザーを誘導すべきです。

また、ユーザーは、必ずトップページから見るとは限りません。どのページからアクセスされても良いように、関連するページや、他の有益なページを掲載することで、ユーザーの更なる興味を引くことができます。

ユーザーの流れは、Google Analyticsなどで追跡できますので、当初に考えていたユーザーの流れと実際のデータを比較しながら、ホームページを訪れたユーザーにとって利便性の高い改善方法を模索することが大切です。

4 集客の改善

ホームページで成果が上がらないとき、まっさきに取り組みがちなのが、この集客です。しかし、できるだけリスクを減らすのであれば、ホームページをきちんと反応が取れるように改善してから、集客に力を注ぐべきです。

理由は冒頭でも述べましたが、反応のないホームページにいくら多くのユーザーが訪れても、大きな成果は得られないためです。場合によっては、お金を払って非ファンを増やすだけになるかもしれません。

ホームページの集客方法は、検索エンジンからのアクセスを増やす方法、ソーシャルメディアからのアクセスを増やす方法、現実世界の広告や口コミでアクセスを増やす方法、など多種多様です。自分たちのできる範囲で、業種・業態に合ったものを複数組み合わせて行うと良いでしょう。

いずれにしても、集客には相応のコストがかかるものです。当然、いかに損益分岐点を突破できるかがカギとなります。そのために、まずはホームページそのものの反応率を高めておく必要があるのです。

今回のまとめ

急がば回れ!

Web Designer / Developer

前田 大地

沼津高専中退。デザイン会社、システム開発会社を経てセブンシックスを設立。マーケティング、デザイン、テクノロジーに精通するオールラウンダーとして、県内の中小企業に向けた戦略型ホームページ制作を開始。一方で、都内の広告代理店からの要請で大企業案件にも多数参加。企業が本当に必要とするホームページ制作とは何か、を日々探求している。

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