ホームページの「目的」「ゴール」とはいったい何なのか
前田 大地
ホームページ制作において、最も大切なものは何だと思いますか。こういった質問を投げかけると、多くの制作者が「目的とゴールの設定」と答えます。
しかし、いきなり目的やゴールと言われても、いまいちピンとこない経営者の方も多いのではないでしょうか。そもそも、目的やゴールを適切に設定するには、ホームページで何ができるのかを把握していなければなりません。
今回は、ホームページ制作における「目的とゴールの設定」について、もう少し深く掘り下げてみたいと思います。
ユーザーにとってのホームページ
私たちが、インターネットで検索するとき、そこには何らかの解決したい問題を抱えています。
例えば世の中には、子供が風邪をひいたときの対処法を知りたかったり、恋人が喜ぶプレゼントを知りたかったり、新しいパソコンの使い方が分からないとか、楽して大金を手に入れたいとか、ただ単にヒマを潰したいとか、それはもう、数え切れないほどのニーズや欲望が存在しています。
それらを解決するために、ユーザーは、インターネットで検索し、ホームページを訪れます。ホームページの存在意義は、ユーザーの問題を解決することに他なりません。
ビジネスとマーケティング
ビジネスとは、価値を提供し、対価を得ることです。顧客が必要としている商品やサービスを提供して、その対価としてお金をもらう。これが、ビジネスの本質です。
そして、ビジネスを円滑に行うためには、より顧客が求めている商品やサービスを提供したり、それらに価値を感じて必要としてくれる顧客に気付いてもらう必要があります。これらの取り組みを、一般的には「マーケティング」と呼んでいます。
企業にとってのホームページ
ユーザーは、自身の抱える問題を解決したい。企業は、自分たちの商品やサービスで解決できる問題を抱えた顧客を見つけたい。この両者、繋がっていると思いませんか。そう、ホームページを閲覧するユーザーと、マーケティングを行う企業は、利害関係が完全に一致しています。
つまり、ホームページとは、それ自体がマーケティングなのです。
ですから、私たちが考えるのは、マーケティング活動をしていく上で、ホームページにどんな役割を担わせるか。ということになります。
ホームページのゴール
そこで、ゴールを考える必要性が出てきます。要するに、ホームページを訪れたユーザーに何をしてもらいたいか、ということです。
店舗に来店してほしい。問い合わせをしてほしい。その場で商品を購入してほしい。などなど、様々なケースが予想されます。自社のマーケティング戦略によって、ホームページに何を求めるかは変わりますので、自分たちのビジネスに合ったゴール設定を行うと良いでしょう。
100m走は、ゴールに向かって走ります。サッカーは、ゴールに向かってボールを蹴ります。そしてホームページは、ゴールに向かってユーザーを導きます。
私たちは、ゴールを明確にすることで、そのためにどんな内容が必要か、という視点からホームページを考えることができるようになるのです。
目標
もうひとつ大切なのが、目標です。どれだけのゴールを決めたいか、目標を設定することで、それに応じた戦術をとることができます。
ゴールは多ければ多いほど良いのですが、サッカーの試合で「毎試合10点とってこい」などと指示する監督はいないように、現実からかけ離れた数値は、逆に士気低下に繋がります。
ただし、あまり少なすぎると、今度はホームページがただの負債になってしまうため、損益分岐点をボーダーラインとして考えます。
目標数 (× 成約率) × 客単価 > コスト
上記の式が成り立つ範囲で、現実的な目標設定を行う必要があります。目標値は、あくまで最初の段階の皮算用ですから、状況に応じて定期的に見直しながら、最適な目標値を設定すると良いでしょう。
今回のまとめ
ホームページは、マーケティング。
ゴールと目標が、戦術を決める。だから、大切。