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#06 デザインで伝える

前田 大地

良いデザインは、企業とユーザー双方の課題解決をよりスムーズにしてくれる。

第一印象の重要性

あなたは、はじめて会った人が革ジャンを着て、髪型はリーゼント、ラバーソウルを履いて、腕にトムとジェリーの刺青を入れていたらどう感じるだろうか。私だったら「ちょっとロックンロールすぎやしないか?」と感じることだろう。ほとんどの人が、第一印象を見た目で決めている。

ホームページも、第一印象の影響は大きい。

あなたはインターネットで買い物をする時、ホームページのデザインが良いという理由で商品を買うだろうか。おそらく、そんなことはない。きっと、その商品を欲しいから買うのだと思う。

その一方で、デザインが悪いホームページでは、ページを開いてみたものの数秒で閉じてしまったり、商品が置いてあるにもかかわらずスルーした経験があるかもしれない。

つまり、ホームページの第一印象は、訪問者がホームページの閲覧をこのまま続けるかどうかの判断基準になっている。そして、その第一印象を決めるのは、内容の良し悪しではなくデザインだ。

信頼度の初期値=デザイン

以前、とある企業のホームページをリニューアルしたところ、求人の応募が飛躍的に増えたことがある。おもしろいのは、そのホームページには採用に関する内容が一切掲載されていなかったことだ。

よくよく考えてみると、なんてことはない。求人誌やハローワークで求人情報を目にした求職者は、その多くが企業のホームページを下調べのために訪れる。そこで「なんとなく大丈夫そうな企業だな」と感じることで、次のステップである「より深い検討」に入る。その「大丈夫そう」の指標が「デザイン」だ。リニューアルしたことで、第一印象が改善され、土俵に上がれる企業になったのだ。

デザインは、悪ければそれだけで大きなマイナスとなる反面、ある一定の「信頼感」を満たすことができれば、次の段階へと進む足がかりとなる。最も重要なのは「信頼感」だ。奇をてらったり、芸術的であったり、見る者を驚嘆させるようなアイデアは必要ない・・・デザインが目当ての訪問者を集めたい場合以外は。

Webの特性とデザイン

信頼感を満たすには、デザインが洗練されていること。そして、Webの特性に合ったデザインであることが大きなポイントだ。Webのデザインが、同じ平面である紙媒体のデザインと似ているようで全く違うのは、以下の理由による。

画面幅の可変

パソコンの大きな画面。スマートフォンの小さな画面。ホームページは、見る人の環境によってキャンバスが変わる。デザイナーは、1枚の静止画でデザインを作成する。しかし、実際に表示されるホームページは、それよりも画面が広かったり狭かったりするため、可変を前提としたデザインをしなければならない。

コンテンツの増減

ホームページの良いところは、その更新性にある。たとえば、企業の担当者が自分たちで更新していくページを想像してほしい。当然、更新するたびに内容量が増えたり減ったりする。文字量が増減しても破綻しないような配慮や、更新されることを前提としたデザインが求められる。

ユーザーによる操作

ホームページはユーザーが「操作する」ものである。ホームページには取扱説明書がない。ユーザーにはページ間の移動やフォームへの入力など、様々なアクションをしてもらう必要があるので、それらを快適に使えるような配慮が必要だ。

目標達成のためのデザインを

ホームページは、企業にとっても、ユーザーにとっても、問題を解決するための強力なツールだ。そして優れたデザインは、双方の問題解決をよりスムーズにしてくれる力がある。個人的な好き、嫌いの好みはもちろん大切だが、「このデザインは目的を達成できるか」という視点を忘れないことが肝心だ。

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Web Designer / Developer

前田 大地

沼津高専中退。デザイン会社、システム開発会社を経てセブンシックスを設立。マーケティング、デザイン、テクノロジーに精通するオールラウンダーとして、県内の中小企業に向けた戦略型ホームページ制作を開始。一方で、都内の広告代理店からの要請で大企業案件にも多数参加。企業が本当に必要とするホームページ制作とは何か、を日々探求している。

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